タイヤ
バーストとは?

原因や
対処法・予防策を
プロが解説

更新日:2024年9月30日

タイヤバーストとはタイヤの破裂のことを指します。徐々にタイヤの空気が抜けていくパンクと比較し大事故につながる可能性も。今回はタイヤバーストが起こる原因とその対処方法からバーストを起こさないための対策を解説します!

タイヤバーストとは?

タイヤバースト

タイヤバーストとはどのような状態か、パンクとの違いや、バーストが起こるとどうなるかを解説します。

バーストとパンクは何が違う?

バーストとパンク

タイヤのパンク、バーストはタイヤトラブルの代表格ですが大きく異なります。パンクは走行中に釘や金属片が刺さるなど、様々な要因でタイヤに穴が開き、中の空気が徐々に抜けていく状態をいいます。
一方、バーストは走行中の激しい発熱による強度の低下や縁石などにタイヤが強く当たるなどでタイヤ内部にあるタイヤの骨格を形成する層(カーカス)が破裂する状態。バーストすると一気にタイヤとしての機能は果たせなくなるため、走行不能となり事故につながる可能性が高く大変危険です。

タイヤがバーストするとどうなる?

走行中にタイヤが破裂すると、急にハンドルがとられて車をコントロールできない状態になります。突然の不安定な車の動きに動揺した焦りから、周囲の車を巻き込む事故につながる可能性も。
では実際、どんな状態になるとバーストが起こるのか原因を解説します。

タイヤバーストが起こる原因

縁石と車

バーストは何故起こるのか?バーストを回避するためにもまずは原因を知ることが大切です。

原因①:外部からの衝撃

縁石などの障害物にタイヤが当たり損傷したことが原因でバーストにつながる場合があります。

原因②:タイヤの劣化

使用環境により異なりますが、使用開始から4~5年以上経過しているタイヤやスリップサインが出ているタイヤなどは、劣化によりバーストが起こる可能性があります。またタイヤ側面(サイドウォール)などに深いひび割れがあると、タイヤの形を作る繊維パーツが切れる可能性があり、バーストが起こりやすい状態です。

原因③:過積載

最大積載量を超過して走行し続けると、タイヤに大きな負荷がかかりタイヤが発熱してバーストを起こしやすくなります。

原因④:タイヤの空気圧

タイヤの空気圧不足の状態で走行していると、タイヤがたわみ負荷が掛かります。特に高速走行した際は、タイヤが波状に変形する現象(スタンディングウェーブ現象)が起こり、タイヤが過熱され、バーストを招く要因になります。
反対に空気圧が高過ぎてもタイヤに亀裂が入りやすいため、結果的にバーストが起こりやすくなります。

スタッドレスタイヤは
バーストしやすいってホント?

スタッドレス

基本的にスタッドレスタイヤは寒さに強い設計なので、路面温度が高くなる真夏の道を走るとゴムが柔らかいためタイヤが変形しやすく、バーストを起こす可能性が高まります。
冬の時期が過ぎたら速やかに夏タイヤに交換しましょう。

続いて、バーストが起こる前は、どのような前兆があるのかを解説します。

バースト寸前のタイヤには前兆がある

タイヤバースト

タイヤのバーストは突然起こるので前兆を読み取るのは難しいケースが多いですが、以下に挙げるような症状が出たらすぐに安全な場所に移動し停車しましょう。

乗車前の前兆:
タイヤ表面のひび割れやキズ

タイヤの深いひび割れや傷がタイヤ内部のコード層まで届いていると、コード層が切れてバーストする危険性があります。またタイヤの接地面(トレッド)や側面にコブのような膨らみが見られる場合は、タイヤのゴム層とコード層が剥離する危険もあるのですぐにタイヤ交換をしましょう。

タイヤの構造

タイヤの構造

乗車中の前兆:
スタンディングウェーブ現象

タイヤの空気圧不足の状態や、荷物を積み過ぎて車重が重くなった状態で走行を続けると、タイヤが波を打つような状態(スタンディングウェーブ現象)が起こることがあります。こうした状態で走り続けると、タイヤの転がり抵抗が増え、タイヤ内部の温度が高くなり、バーストしやすくなります。
初期状態では症状が出ないこともあり、気付きにくい現象ですが進行するとハンドルやシートなどが小刻みに振動します。走行中に普段と異なる振動が起きたら、すぐに路肩など安全な場所に移動し停車しましょう。

乗車中の前兆:
ゴムが焦げたような臭いがする

空気圧不足のタイヤや、過積載で高速走行を続けた場合、タイヤがたわみ続けることで過度に加熱され、ゴムが焼けることがあります。焦げるような臭いがしたらすぐに路肩など安全な場所に停車しましょう。

バーストの予防方法は?

バーストが起こる前兆の見極めは難しいですが、予防は可能です。バーストを回避するための日々の予防策を紹介します。

タイヤの空気圧を適正に保つ

空気圧チェック

バーストを防ぐために大切なことはタイヤの空気圧を適正値に保つことです。空気圧は自然に抜け1か月で約5%低下すると言われています。そのため1カ月に1度は空気圧をチェックしましょう。

タイヤの劣化を抑える

カバー

直射日光や紫外線、雨にさらされる状態はタイヤの劣化を早めます。屋外の駐車場に停めている場合は、車のカバーなどをしてタイヤが劣化するスピードを抑えましょう。また石油系溶剤を含んだタイヤワックスもタイヤの劣化を進行させる可能性がありますので、使用には注意が必要です。

プロによる定期的な点検

タイヤ交換

タイヤのひび割れや傷の状態、タイヤの交換時期の自己判断は難しいので、プロがいるお店で定期的にタイヤチェックを受けることがおすすめ。

劣化している場合は早めの交換を

タイヤのひび割れ

タイヤの溝が4mm以下になった時や、ひび割れが深くなり広がってきた場合は、交換時期に差し掛かっている可能性があります。早めにタイヤ交換しバーストを回避しましょう。

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タイヤバーストした時の対処法

三角表示板

万が一、タイヤがバーストした際の対処方法を解説します。

①徐々にスピードを落とし、
停車させる

タイヤがバーストしたときは大きな破裂音がし、車が傾きハンドルがとられます。突然の不安定な車の動きに不安や焦りが生じると思いますが、急ブレーキや急ハンドルなどは厳禁です。慌てて操作を行うと、車が予想外の動きをしてコントロールができなくなり、周囲の車を巻き込む事故につながる恐れがあります。
ハンドルはしっかり持ったまま、ハザードを点灯し、徐々にスピードを落として、安全な場所に車を停車させましょう。特にスピードが高くなる高速道路走行中は要注意です。

②安全を確保する

周囲の車に注意しながら安全な場所に車を停止させたら、後続車に知らせるために停止表示板などを設置します。後続車に追突される危険がありますので、車内や車の側に留まらず、乗員は安全な場所に避難しましょう。

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③スペアタイヤに交換または
ロードサービスに連絡

三角表示板

スペアタイヤを積んでいる車はタイヤ交換する方法もありますが、バーストの状態によってはホイールなどの破損でタイヤ交換が困難な場合がありますので、無理をせず、ロードサービスに連絡しましょう。
パンクと違い、バーストの場合は、タイヤが一気に破裂しタイヤ内部のコードなどが引きちぎれた状態です。たとえ近くにガソリンスタンドなどがあったとしてもバーストした状態で走行するとホイールや足回りなど他の部品が破損する可能性があるだけでなく、周囲の車や人に危害を加える可能性があります。自走せず、救援を待ちましょう。

まとめ

バーストを予防するにはタイヤの日常点検が最善策です。空気圧の適正値を保ち、ひび割れがないかジェームスで定期的に点検し、タイヤの健康を保ちましょう。

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よくある質問

タイヤのバーストとは?

タイヤの破裂です。タイヤ内部のカーカスが破裂しタイヤが機能しなくなります。パンクは徐々に空気が抜けていきますが、バーストは一気にタイヤが機能しなくなるため走行不能になります。

バーストはなぜ起きるの?

空気圧不足、または空気の入れ過ぎ、荷物の載せ過ぎ、タイヤの劣化、傷、ヒビ割れの状態によってバーストが起こります。

バーストを防ぐ方法はある?

最善策は日々のタイヤ点検です。適正空気圧値の維持、タイヤの傷やヒビ割れのチェックが大切です。タイヤの使用年数(夏タイヤの場合、使用開始後4~5年が目安)も確認し寿命が近づいているタイヤは早めに交換しましょう。

タイヤがバーストしたらどうすればいい?

タイヤが破裂した際は、急ハンドルや急ブレーキは避け、ハザードを点灯し、徐々にスピードを落として安全な場所に車を停めましょう。停止後はロードサービスに連絡を。

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この記事を執筆・監修した人
鈴木珠美(Suzuki Tamami)

カーライフアドバイザー&ゆるトレ講師。車専門誌、女性誌の編集者を経て、車のある暮らしにまつわる企画・編集・執筆。また運転疲れを軽減し、安全運転へ導くストレッチの監修も行う。女性の車生活を応援する「beecar(ビーカー)」編集長。その他、ワークショップの開催、TV・ラジオ出演等

※2024年9月30日時点の情報に基づいた内容です

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