車種検討から納車までやるべきことと注意点
自動車購入においてお得なイメージのある中古車。自分にピッタリな1台を、宝探しのように見つけるのも中古車選びの醍醐味です。でも、今まで新車しか買ったことがなかったり、初めて買う車が中古車だったりする場合はとまどうことも多いかもしれません。そんな方に向けて、購入の一連の流れをふまえながら、中古車購入についてお伝えします。故障車などの可能性もゼロではない中古車において、リスクを避けるための注意点も付けました。
その1 中古車について調べる
①中古車の種類を知る
ひとえに車といっても、形状や動力によって色々な種類があります。まずは全体像を把握しましょう。
【形状の種類】
・軽自動車…最もボディが小さいクラス。税金も優遇され、維持費が安いのがメリット。
・コンパクトカー…5ナンバーの中で最もボディが小さいクラス。運転もしやすく、価格は割安。
・ミニバン…多人数の乗車と荷物を乗せられるスペースがあるのが特徴。家族層に人気。
・SUV… もともとは悪路を走るための性能を持つ車。外観デザインが個性的なものも。
・ワゴン/ミドルサイズハッチバック…背が低いため外観がスマート。走行安定と乗り心地のバランスも良好。
・セダン…4ドアにトランクルームを備えた、ベーシックなタイプの車。ビジネスシーンにもぴったり。
・スポーツクーペ…機敏なハンドリングとデザイン性の高い外観が特徴。ドライブ好きにおすすめ。
【動力の種類】
・ガソリン車…ガソリンによって動く。機能的にはシンプルだが、最近は燃費性能が向上。
・ディーゼル車…軽油を燃焼させるエンジンで動く。排気量の割には出力が小さいが、燃費性能が良好。
・電気自動車(100%電気)…電気によって動き、走行中にCO2を排出しない。環境への配慮や経済性に優れる。
②中古車のリスクを知る
中古車は、正しく選べば自動車をお得に手に入れることができます。そのためには、中古車の代表的なリスクを知ったうえで検討する必要があります。リスクのある中古車には次のようなものがあります。
・修復歴車(事故車)…フレームにあたる部分などが事故等で損傷を受け、修理された中古車。後に、不具合や故障につながることも。
・水没車…水害を受けたことのある中古車。電装系に支障をきたす恐れがある。
・塩害車/雪害車…潮風や雪によってダメージを受けた中古車。フレームや内側の重要部品が錆びてしまうことも。
上記のような車は後にトラブルが起こる可能性もあります。価格が相場と比べてあまりに安かったり、車体に錆びなどがみられたりして心配な場合は、購入する店舗の販売員に尋ねてみるといいでしょう。消費者契約法という法律の範囲内で答えてくれます。
③使用目的と予算に合った車種を選ぶ
数多くの中古車から、購入すべき1台を選ぶには、使用目的と予算を明確にすることが必要です。使用目的については、
・乗車人数
・1年間の走行予定距離
・市街地で走るのか、長距離移動が多いのか
・収納設備は大切にするか
・見た目は重要か
などのことをメモにしながら、使用シーンのイメージをふくらませていくといいでしょう。たとえば、お母さんのセカンドカーとしての利用では、維持費も安く小回りも利く軽自動車。家族利用で、時にはおじいちゃん、おばあちゃんと一緒にお出かけもと言う方にはミニバン。スタイリッシュな格好良さを求めるならSUVなど、具体的な想定を考えると選びやすいです。
それから、自分が車購入に使える予算を明らかにします。購入時の税額はさまざまですが、おおまかにいって車両価価格の15%が諸費用になるとも言われているので、それも含めて予算を考えます。使用目的と予算が分かったら、購入する候補車種を決めます。お目当ての車種について、インターネットなどの口コミを参考に知識を深めるのもいいでしょう。
注意ポイント!:
中古車購入のためには、必要なものや書類があります。時間がかかる場合もあるので、購入までに余裕を持って用意しましょう。
・免許証などの本人確認書類…ローンなどを利用する際に審査に利用
・実印と印鑑証明書…シャチハタは使えません
・認印と住民票…軽自動車の場合や、車所有者の名義が本人以外の場合に必要
・車庫証明書…保管場所(車庫)の住所を管轄する警察署に申請を行う
車庫証明書の必要性が示すように、中古車を購入する際は駐車場の確保も進めなければなりません。
その2 中古車を選ぶ
①中古車を販売する店舗の種類
購入候補車種が決まったら、店舗へ行きましょう。中古車を購入できる場所は次の通りです。
・ディーラー系中古車販売店…メーカーの中古車を中心に販売している店舗
・一般中古車販売店…メーカーを問わず多種多様な中古車を取り扱っている専門店舗
・中古車買取店…買取された中古車をそのまま販売している店舗
最近では、インターネットやオークションでも中古車を買える動きもあります。
②店舗に行って、見積書を取る
希望車種を購入するための商談を開始するための第一歩が見積書。車の購入に必要な費用を表にまとめたもので、車両価格に加えて、付属品(オプション)の価格、さらに購入時に徴収される税金、自賠責保険料、購入店が受けとる各種の代行手数料も計上されます。ローンを組んで車を購入する場合には、頭金や月々の返済額なども記載されます。商談をするときには、見積書をたたき台にして、そこから細かな交渉を行うことになります。
注意ポイント!:
中古車を選ぶときには以下のポイントをチェックしてください。
・走行距離…一般的には走行距離が短ければ、価格も上がるもの。走行距離があまりに長いものは耐用性に注意です。
・年式…新しいものほど、燃費や安全性に優れた傾向があります。
・車検の有無…車検整備代が車両価格に含まれる中古車と、含まれない中古車があります。
・保証の有無…店舗によって保証の内容はさまざま。事前によく確認しましょう。
その3 中古車を買う
①中古車購入に必要な手続き
車選びが決定したら、店舗が用意する委任状に署名と押印をします。委任状とは、車の登録や名義変更の申請を店舗に委任するもので、先方が用意してくれます。
すでに持っている車を店舗に下取りしてもらう場合には、譲渡証明書に署名と押印します。これも先方が用意してくれますが、下取りをする車の車検証、自賠責保険証、リサイクル券の預託証明書、自動車税の納税証明書は自分で用意しましょう。
②購入後にかかるお金
車はほかの商品と違って、購入した後にもさまざまな維持費がかかります。特に税金と自賠責/任意保険料は、走行距離にかかわらず、車を所有しているだけで発生します。
・税金
-自動車重量税…購入時に車検を通す必要のある中古車の場合のみ必要。
-自動車税(軽自動車税)…購入した後も毎年、納税通知にしたがって税金を納める。
・保険料
-自賠責保険料…車を運行するうえで、必ず加入しなければいけない保険。違反者には処分が下される。
-任意保険料…自賠責保険料だけでは不足する場合があり、今では任意保険料に入るのが一般。車両保険、対物賠償保険、対人賠償保険、人身損害保険といった種類があります。すでに加入している任意保険をそのまま引き継ぐ場合は、車両が変更となることを損保会社に連絡しなければいけません。
その他にも、流動的な費用として、ガソリン代、高速道路通行料金、駐車料金、車検やオイルなどの交換代などがあります。
③支払い方法について
中古車を購入する際の支払い方法は、現金払いの他に次のような方法があります。
・従来型ローン…車両価格の全額を一括して振り込まず、数年で分割して返済するもの。
・残価設定ローン…数年後の残存価値を設定し、その残りを分割して返済するもの。新車では一般的ですが、中古車では一部のメーカー系ディーラーを中心に扱っています。
・銀行やJAのマイカーローン…住宅ローンなどと同様の扱いで、銀行やJAにお金を借りて、返済を行うもの。
銀行のマイカーローンを利用するためには、別途、所得証明書などの書類が必要となります。
④エコカー減税
基本的にエコカー減税は新車を対象にしたものですが、ごく一部の中古車も当てはまることがあります。購入する店舗に確認してみましょう。
⑤下取り
下取りとは、それまで乗っていた車を購入店舗が引き取り、その価格分を購入価格へ充てる方法。中古車の支払総額が安くなったり、購入する店舗との交渉に役立ったりすることもあります。
注意ポイント!:
自動車税が未納の状態では、車は下取りに出すことができません。未納の場合は納税が必要になります。
その4 納車
①納車
無事契約が完了し、中古車を購入したら、あとは納車を待つのみ。中古車を自宅まで運んでもらう場合は納車費用がかかりますが、自分で取りにいけば無料になります。
納車されたら、次のようなポイントをチェックしましょう。
・書類を確認する…車検証、自賠責保険証、注文書の3種類を確認し、記載事項に誤りがないかを調べる。
・オプションなどの装備を確認する…中古車そのものはもちろん、付属品もすべて装備され、しかも確実に作動することを確認する。
・ボディ回りを確認する…小さな傷やへこみがないか確認する。
注意ポイント!:
中古車には、新車と比べて品質が一定しない傾向があります。最初に時間をかけて不備がないかチェックすることで、後のトラブル回避につながります。何か不具合が生じた際は、納車されてすぐに購入店舗に伝えましょう。
まとめ 中古車を買ったその後に…
中古車を買うとなると、さまざまに注意するポイントがあります。でも1つずつステップを踏んでいけば、自分にぴったりの中古車を購入できるはず!また、納車されてからいよいよ始まるカーライフを充実させるアイテムにも注目です。
【カーライフを充実させるアイテム】
車にはさまざまな装備が採用されています。
自分の理想のカーライフに最適な装備を考えて、過不足のないアイテムを選びましょう。また、安全のための装備はなるべく充実させたいものです。
新車ほど装備が揃っていない場合にも、カー用品店でアイテムも購入することで次のように解決することもできます。
シートなどが古くなっている→ シートカバーやフロアマットを新調
カーナビ・オーディオが古い → 最新カーナビへの付け替え、オーディオの新調
安全装備が少ない → ドライブレコーダー バックカメラの装着
中古車自体の装備に加えて、自分でカーアクセサリーを付け足すことで、お気に入りの一台にカスタマイズできるのも中古車の魅力です。