タイヤを見れば
製造年月日
(製造年週)が
わかる?
見方をプロが解説

更新日:

タイヤ製造年月日(製造年週) タイヤのサイドウォール(側面)にはメーカー名やタイヤサイズだけでなく、
タイヤの製造年週の情報が読み取れるものがあります。
ゴム製品のタイヤは使用していなくても寿命があるので、
タイヤの製造年週はタイヤ交換をする際にとても重要な情報です。
そこで今回は、タイヤ製造年週の見方から、タイヤ交換の目安までを解説します。

タイヤを見れば
製造年月日がわかる!

タイヤ製造年週の刻印

まず、タイヤの製造年月日についてですが、厳密には製造年月日ではなく製造年週での表示となります。タイヤの製造年週は、タイヤ側面(サイドウォール)のホイールに近い位置に記され、製造番号(セリアル)と呼ばれる数字が刻印されています。

タイヤ製造年週の刻印(アップ画像)

例えば、写真の○印部分、「4120」の4つの数字に注目。これが製造年週を表しています。最初の2つの数字「41」が「41週目」を表し、最後の2つの数字「20」が「2020年」を意味します。つまり「4120」は、2020年41週目(2020年10月5~11日)に製造されたタイヤということを示しています。

タイヤメーカーによって製造年週の表記の仕方はさまざまですが、ほとんどはタイヤの片側に記されており、製造年週の部分が丸で囲んであったり、アルファベット+4つの数字で表記されていたりする場合もあります。

タイヤの刻印には
いろいろな意味がある

タイヤサイズの刻印

タイヤには製造年週の刻印以外にも、タイヤサイズやタイヤが対応している最高速度などが、数字、アルファベット記号などで示されています。それではさっそく、どのような情報が記されているのかを解説します。

タイヤサイズ
(幅、偏平率、インチ数、荷重指数、速度記号)

上記の写真を例に解説します。「225/40R19 93W」は、タイヤサイズ等を表しています。

225
タイヤの幅(断面幅)を表しています。225mmであることを示しています。
40
偏平率を表しています。断面の高さ÷タイヤの幅(断面幅)×100=偏平率です。
R
アルファベットの「R」は、ラジアル構造のタイヤという意味です。
19
19インチ(約482.6mm)という意味で、タイヤの内径を表しています。
93
荷重指数(ロードインデックス)です。規定の条件下で1本のタイヤにどれくらいの負荷をかけてもよいかを示す数字のことを荷重指数(ロードインデックス)と言います。写真の「93」の場合、650kgの負荷能力があることを示しています。
W
速度記号です。規定の条件下でタイヤが対応している最高速度を表しているのが、写真のアルファベット記号の「W」です。「W」は、最高速度270km/hまで対応していることを示しています。

回転方向(ローテーション)

ローテーション(回転方向)の刻印

「ROTATION(ローテーション)」と記されているタイヤは、タイヤの回転方向が決められているタイヤです。回転方向が指定されているタイヤは、左右を取り違えてしまうと、走行時に抵抗になったり、性能が正しく発揮されなかったりなどトラブルの要因になります。指定されている通りに取り付けましょう。

インサイド/アウトサイド

インサイドの刻印
アウトサイドの刻印

タイヤの中には「INSIDE(インサイド)」、「OUTSIDE(アウトサイド)」と刻印されたタイヤがあります。このタイヤの特徴として、地面との接地面(トレッド面)のタイヤの模様が非対称パターンになっていることが挙げられます。「OUTSIDE」と刻印された部分は外側から見えるように取り付けすることが指定されています。万が一、「OUTSIDE」を内側に取り付けると正しくタイヤの性能が発揮できないので注意が必要です。

スリップサイン
(1.6mmになると使用の限界に)

スリップサイン位置を示す三角マーク
スリップサイン

タイヤの側面には三角マークが表示されており、スリップサインの位置を示しています。三角マークの延長線上をたどると、溝に盛り上がっている部分があり、これがスリップサインです。スリップサインが表面に出てきたら、タイヤの残り溝が1.6mmになったことを示します。スリップサインが表に出てくる前に早めにタイヤを交換しましょう。

プラットフォーム
(スタッドレスとしての使用限界)

プラットフォーム

スタッドレスタイヤの溝には「プラットフォーム」と呼ばれるサインがあり、プラットフォームが表面に出てきた場合は、スタッドレスタイヤとしては使用できません。

M+Sマークと、スノーフレークマーク

M+Sマーク・スノーフレークマーク

M+Sのアルファベットの表記は、MUD(マッド/泥)+SNOW(スノー/雪)の頭文字からとった記号。ぬかるみや雪道にも対応する性能を備えたタイヤにつけられているマークです。M+Sの横にある、「山型の中に雪の結晶のようなマーク」は、スノーフレークマークといい、ASTM(米国試験材料協会)規格において、厳しい寒冷地でも十分な性能を生かすことが認められた証です。M+Sのマークのみが刻印されたオールシーズンタイヤもありますが、より雪道での性能を求める場合は、スノーフレークマーク付きのタイヤをおすすめします。

タイヤの交換目安は?

タイヤ交換イメージ

タイヤの交換目安は、製造年週に加え、タイヤの状態からも判断することができます。出先でパンクやバースト(破裂)などのトラブルを回避するためには、適切な時期にタイヤを交換することが大切。どのタイミングでタイヤを交換すればよいのか、外出先でのトラブル防止にもつながるタイヤの交換目安を紹介します。

製造年週

通常、新品タイヤの使用開始から、夏タイヤの場合は4~5年、冬タイヤの場合は3~4年がタイヤの寿命といわれていますが、タイヤの寿命は、車を使う状況や環境によっても変動します。例えば駐車場が屋外で直射日光が当たる場所であったり、悪路を走ることが多かったりする場合はタイヤの寿命は早まります。製造年週はあくまで目安ですが、製造年週から10年経ったタイヤは、たとえ新品であってもゴムの劣化が進行しているためタイヤ交換が推奨されています。
また、購入時期が2022年であったとしても、タイヤの製造年週が2021年というケースもあり、「購入時期=製造年週」ではないので、使用年数の参考にすると良いでしょう。

スリップサイン

スリップサインが表に出てきたら残りのタイヤの溝が1.6mmになっていることを示します。スリップサインが出たタイヤは「加速」「曲がる」「止まる」といった、車を安全に走らせるための基本の動きが損なわれて危険な状態であるということだけでなく、1.6mm以上の溝がないタイヤで車を走らせることは、道路交通法違反になります。また、タイヤの性能はスリップサインが出るギリギリまで保たれるわけではなく、タイヤの性能は徐々に低下していきます。目安はタイヤの溝が4mm以下になったら早めにタイヤ交換をするようにしましょう。

ひび割れ

タイヤのひび割れイメージ

タイヤの内部に達するような深いひび割れや亀裂が入った場合は要交換です。またタイヤの骨格を形成している「カーカス」が切れると、タイヤの側面が一部盛り上がったような状態になります(この状態を「ピンチカット」といいます)。そのまま走行を続けるとパンクやバーストを引き起こす可能性もあるため、早めに交換しましょう。

走行距離

道路とタイヤイメージ

新品タイヤに履き替えて、おおよそ32,000km走行したらタイヤ交換の時期に達します。一般的にタイヤのゴムは走行距離5,000kmごとに1mm摩耗すると言われています。タイヤの種類によっても異なりますが、新品タイヤは約8mmの溝があるため、計算すると5,000km×(8mm−1.6mm)=32,000km。つまり約32,000km走るとタイヤの溝が1.6mmになるという計算です。

走行感覚として

運転イメージ

車を走らせているときに、普段よりもロードノイズ(走行音)が大きくなった、乗り心地が悪くなった、ブレーキが効きづらくなったなどを感じたら、そろそろタイヤ交換の時期に差し掛かっているかもしれません。いつもと車の様子が違うことを察することは、車を所有するカーオーナーだからこそわかる大切な感覚です。少しでも不安をキャッチしたら、タイヤの点検をお店などでしてもらいましょう。

履き替えの時期など

雪道のタイヤイメージ

夏タイヤ⇔冬タイヤへの交換時期は、タイヤの状態をチェックするのに良いタイミングです。直射日光が当たる場所に保管したなど、保管方法によってはゴムの劣化が進行するケースがあるので、タイヤを履き替える際にはお店などで確認・点検してもらうと安心です。

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まとめ:
今すぐタイヤをチェック!

タイヤ交換イメージ2

タイヤの寿命は使用期間だけでなく、タイヤを使っている状況や環境、保管方法などによって大きく変わります。タイヤの健康状態を維持し、適切な状態を保つことは安全運転には欠かせません。改めて考えると、タイヤが路面に接地する部分はハガキ一枚分。たったこれだけの面積で車と乗員を支える重要な部分を担っています。

製造年週をはじめタイヤに記された情報は、ある意味、タイヤの性格を知るためのプロフィール。大事な役割があるタイヤを知り、タイヤの健康管理への意識が高まれば、それは安全で快適な車のある暮らしを守ることにもつながります。タイヤ管理を積極的に行って、適切なタイミングでタイヤ交換をし、パンクやバーストの危険を回避しましょう。

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よくある質問

タイヤの製造年月日はどこを見たらわかる?

タイヤのサイドウォール(側面)に刻印されている4ケタの数字が製造年週を表しています。
また、タイヤの製造年月日については、厳密には製造日ではなく製造年週での表示となります。

タイヤの製造年週の見方は?

2000年以降の製造年週は、4つの数字で表示され、最初の2つの数字が「製造週」を表し、最後の2つの数字が「製造年」を表します。例えば「0122」とタイヤに刻印されていた場合は、2022年の1週目に製造されたタイヤということを意味します。

古いタイヤでも溝が十分にあれば使っても大丈夫?

新品タイヤの使用開始から夏タイヤの場合は4~5年、冬タイヤの場合は3~4年が交換目安と言われています。タイヤメーカーはタイヤの消費期限は明記していませんが、タイヤのゴムは未使用であっても製造年週から10年経過したタイヤは交換を推奨しています。
<参照 「タイヤの寿命(長期使用の目安)」日本グッドイヤー株式会社>

買ったばかりのタイヤが昨年製造のタイヤだったけど品質は問題ない?

夏タイヤの場合、各メーカーにより見解は異なりますが、ブリヂストンでは適正に保管された新品タイヤの雨の日のブレーキ性能は、3年間はほぼ同等の性能を保つことが確認されていますとしています。
冬タイヤについては、タイヤ公正取引協議会の共催試験により、適正な環境に保管されたタイヤであれば、2シーズン前のタイヤでも同等の性能を保つことが確認されましたとしています。

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この記事を執筆・監修した人
鈴木珠美(Suzuki Tamami)

カーライフアドバイザー&ゆるトレ講師。車専門誌、女性誌の編集者を経て、車のある暮らしにまつわる企画・編集・執筆。また運転疲れを軽減し、安全運転へ導くストレッチの監修も行う。女性の車生活を応援する「beecar(ビーカー)」編集長。その他、ワークショップの開催、TV・ラジオ出演等

時点の情報に基づいた内容です